
K-POPライブは、旅の始まり。アジアで広がる「コンサート旅行」
旅先を決めてから、そこで何をするかを考える。そんな順番とは逆に、「あの公演を見たい」という気持ちから始まる旅がある。ライブの日程に合わせて休みを取り、航空券やホテルを探す。せっかくなら、気になっていたカフェや街にも足を延ばしたい。
K-POPをはじめ、音楽をきっかけに国や地域を越える「コンサート旅行」。Trip.com GroupとLive Nation Asiaが2026年11月4日に公表した共同調査から、ファンの熱量と旅のつながりが見えてきた。
「会いに行きたい」が、韓国を訪れる理由に

写真提供:Trip.com Group
シンガポールで開かれた「The Concert Travel Effect in Asia」のメディアブリーフィング。Trip.com GroupとLive Nation Asiaが、アジアにおけるコンサート旅行の調査結果を発表した。
今回の調査は、韓国、中国本土、シンガポール、香港、マカオ、タイの6市場で、
コンサート観覧者1,768人を対象に実施。
旅行予約やチケット販売のデータも組み合わせ、公演と旅の関係を分析している。
回答者の65%は、公演を見るために別の国・地域へ出かけた経験があると回答。
韓国への関心も高く、タイと香港では、それぞれ約5人に1人がコンサート観覧を目的に韓国を訪れたことがあるという。
好きな音楽が、その街へ向かう理由になる。
観光名所の知名度だけでは捉えきれない、ファンならではの旅の選び方だ。
ただし、今回の調査対象は一般旅行者全体ではなく、コンサート観覧者。
日本も含まれていないため、日本のファンの渡韓傾向をそのまま示す数字ではない。
ライブの前後まで楽しむ、一つの旅行へ
チケットを確保できても、旅の準備はそれで終わらない。会場へ行きやすいホテルはどこか。
終演後はどう帰るのか。限られた滞在時間のなかで、食事や買い物も楽しめるだろうか。
こうしたファンの旅をまとめて支える動きも進んでいる。
Trip.com Groupによると、同社のチケット付き旅行商品の予約は、2026年上半期に前年同期比64%増加。
これは同社内の実績であり、市場全体の成長率ではないものの、
公演と旅行を一緒に手配する需要を示す数字だ。
同社はさらに、チケットと宿泊に加え、現地の観光や飲食、交通を組み合わせる方法を検討している。会場からホテルへのシャトルバスなど、終演後の移動を助けるサービスも検討対象だ。
いずれも、すべての公演で利用できると決まったわけではない。
推しに会う旅が、その街を好きになるきっかけに
ライブ会場だけでなく、旅先で過ごす時間にも目を向けたい。
開演前に立ち寄る店、翌朝に歩く通り、帰国前に味わう一皿。
そんな体験も、公演の記憶と一緒に持ち帰ることができる。
今回の調査で回答者が希望した滞在期間は、平均約4日。
実際の宿泊日数ではないが、公演の一晩だけで旅を終えたくない気持ちがうかがえる。
迎える街にとっても、大切なのは公演当日に人を集めることだけではない。
移動のしやすさや滞在中の楽しみを整えることが、その街で過ごす時間の満足度につながるはずだ。
最初の目的は、推しに会うこと。
それでも帰る頃には、また訪れたい場所が増えているかもしれない。
K-POPライブは、韓国の街を知り、好きになる旅の入り口にもなりそうだ。
取材・編集・文:COCOA編集部
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