次のK-POPスターはどこから? 韓国がインディー・地域ライブへの支援を拡大

世界を席巻するK-POP。その華やかなステージの裏側で、韓国政府が次に力を入れようとしているのが、まだ広く知られていないアーティストや中小芸能事務所、地域のライブシーンだ。

韓国文化体育観光部は2026年9月16日、K-POPを含む大衆音楽分野の2027年度予算案として、過去最大となる802億ウォンを編成したと発表した。2026年度の579億ウォンから38.5%の増額となる。
完成されたスターを海外へ送り出すだけではなく、新しい音楽が生まれ、育ち、観客と出会うまでの環境そのものを広げようとする取り組みだ。

次の才能を育てるインディー音楽支援

今回の予算案で目を引くのが、新たに始まるインディー音楽への支援だ。

アーティストが交流し、楽曲制作や公演を行う「インディー音楽ハブ」の整備をはじめ、地域フェスティバルの育成、海外進出、K-POPやKドラマなど他ジャンルとのコラボレーションに160億ウォンを投じる計画となっている。

大手芸能事務所に所属するアイドルだけではなく、ライブハウスや小規模レーベルから生まれる音楽にも光を当てる方針だ。活動規模や拠点に左右されず、アーティストが継続して音楽を届けられる環境づくりが進められる。

韓国の音楽産業が次の成長段階へ進むうえで、これまで表に出にくかった才能をどのように育てていくのか。その土台を整える試みといえるだろう。

ソウルだけではない韓国のライブシーン

地域公演への支援も、今回の大きな柱となる。

韓国のエンターテインメントはソウルに集中している印象が強いが、各地域にもライブハウスやフェスティバル、独自の音楽文化が存在する。2027年度は地域公演の支援対象を20件から70件へ広げ、関連予算も53億ウォンから113億ウォンへ増額する予定だ。

中小芸能事務所の海外展開支援も、2026年度の10社から18社へ拡大される。これまで資金やネットワークの面で海外進出の機会を得にくかったアーティストにとって、国外の観客と出会う入口が増えることになる。

支援を受けたアーティストや事務所が海外へ動き始めれば、日本のライブハウスや地域フェスティバル、ブランドイベント、メディアとの接点が生まれる可能性もある。すでに知名度のあるスターを招く形だけではない、日韓で新しい才能を発見し、育てていく協業にもつながりそうだ。

旅行者にとっても、ソウルの大型公演だけではなく、旅先で地域のライブや新しいアーティストに出会う機会が増えていくかもしれない。

K-POPの「次」を支える音楽市場へ

今回の動きで重要なのは、予算額の大きさだけではない。
韓国の大衆音楽政策が、すでに成功したアーティストの海外展開だけでなく、インディー音楽、地域公演、中小芸能事務所という音楽産業の裾野へ広がろうとしている点だ。

K-POPの世界的な成功は、完成されたステージやプロモーションだけで生まれるものではない。
アーティストが作品を発表できる場所、観客と出会う機会、活動を継続するための事業基盤があってこそ、次の才能が育っていく。

一方、現段階で公表されているのは政府予算案であり、国会審議を経て内容が変更される可能性がある。支援対象となるアーティストや事務所、開催地域、海外展開の具体的な内容もまだ決まっていない。

今後は、どのような音楽やアーティストが支援対象となり、その成果が実際の公演や海外活動へどう結びつくのかが注目される。日本で新たに耳にする韓国アーティストが、この支援の中から生まれることにも期待がふくらむ。

出典情報

韓国文化体育観光部「2027年政府案で大衆音楽支援予算を約40%増加、インディー音楽・中小事務所・地域公演を重点育成」⁠(2026年9月16日公表)

編集・文:COCOA編集部

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