海外子会社をブラックボックスにしないために

こんにちは。スターシアの黄です。
今月もお読みいただきありがとうございます。

新元号も決まり、平成も残すところ、あと1ヶ月を切りました。
終わりよければ全てよし。ということで、残り1ヶ月は気を引き締めて、清く正しく一生懸命、仕事をして、新しい令和の時代を迎えたいと思います。

さて、清々しい気分とはウラハラに、
今月は、不正のことについて、普段から感じることを書きたいと思います。

企業活動をしていると、残念なことに、どうしても不正対応を考えなければなりません。
これを怠ると、必ず不正が発生します。

私は、15年以上日韓関係の仕事をしていることから、
なにかしらの不正が起こるたびに、「韓国ではこんな感じなの?」
という発言をクライアントから聞くこととなります。

たしかに、国によって、文化や思考のパターン、会社運営の特徴が異なりますから、
他の国では見かけない形の不正や、韓国で典型的に発生する不正のパターンはあるかもしれません。

しかし、他の国を主戦場とする仕事仲間の会計士と情報交換すると、
どの国でも似たような不正は発生しています。
なかには、韓国では発生し得ない不正もあったりで、勉強になる場合も数多くあります。

不正を事前に防ぐためには、どうすれば良いか?

残念ながら、「これをすればオッケー」という万能薬はありません。
不正を防ぐための内部統制をガチガチに固めようとすると、ものすごいコストがかかり、
何のためにわざわざ海外に進出したのか分からなくなってしまう場合もあるでしょう。

だからといって、コストをかけたくない事業部や現場の声に押され、
何とかしたいと考えるものの、なかなか具体的な行動を起こせない管理部の方々も多いのではないかと推察します。

外部の立場からでは、いろいろと理想的なことを言うことは簡単です。
会計士はよく、「Should be」とか「あるべき姿」という表現をしますが, それができれば苦労しません。

現実には、予算、人材、社内の優先順位、パワーバランス等、様々な制約条件があって、分かっているけど、実行に移すのは簡単ではないと思います。

私自身も、何社かの役員をさせていただいていますが、外側から見るのと内側から見るのとでは、こんなにも景色が異なるのかと、自分の見識の狭さに自己嫌悪に陥るときもあります。

そのような経験から、社内の取締役会とか、月次決算ミーティングとかで、大きな見落としがあるなと感じる部分を、一つだけ紹介したいと思います。

(不正防止に役立つ万能薬ではありませんが、コストをかけずにしかも効果的な方法です)

それは、月次決算でBS情報をきちんと抑えること、です。
単月で見てもわかりませんから、過去数カ月の推移や前年比較等、時系列で見ていくことです。

我々会計士は、監査を行う際には、資産負債項目を中心に見ていきます。
一方で、事業会社の取締役会では、売上・利益を中心に議論するケースが多いと感じます。
目的が違うので、着眼点が異なるのは仕方ありませんが、PL項目を予算や前年と比べて議論するだけでは、盲点が大きすぎます。

売掛金の回収はきちんとできているのか。
変な前払金や仮払金はないだろうか。
キャッシュフローは利益と比較して合理的に推移しているだろうか。
承認を受けていない投資(社用車の購入も含めて)がないだろうか。等、PL情報だけでは把握できない不正が数多くあります。

そういうところも、親会社は関心をもって監視しているということを、現場に認識させることが、とても重要です。

実際に、毎月、月次決算は報告されているものの、BS情報をさらっとしか見ないために、
重要な不正の兆候を見逃していたケースを数多く見てきました。

コストをかけずに不正の芽を摘むためには、

1. 月次決算を行う(これはマスト!)

2. 月次決算ミーティングを行う

3. PL情報は、KPIを含め、月次推移、前年度(できれば過去3〜5年間)比較を行う

4. BS情報についても、月次推移、過年度比較を行う

が、第一歩となります。

これは、国内海外問わず、複数拠点を有する会社には共通のことですので、会社運営の参考にしていただければ嬉しいです。
以上、今月のビズポチでした。

(Koh)

 

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☆韓国の税務情報
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~ 地方税の概要 

 

税金の種類には、国家の財政需要に充てられる”国税”があり、地域的特性を有する地方自治体の財政需要に充てられる”地方税”があります。
国税は、公平な負担が必要な所得や消費に対する税目が大部分を占め、地方税は、土地・建物の取得などに対する税目で地域社会に基づいています。

 

1. 主要な地方税の税目及び納付期間

税目 納付方法 納付期間(申告納付期限)
取得税 ㆍ申告納付 ㆍ取得日から60日と登記ㆍ登録日の内、早い日
住民税 ㆍ普通徴収

ㆍ申告納付

ㆍ均等分: 普通徴収 (納期 8.16~8.31)

ㆍ財産分: 申告納付 (納期 7.1~7.31)

ㆍ従業員分: 毎月納付する税額を来月10日までに申告納付

自動車税 ㆍ普通徴収 ㆍ定期分: 第1期分(6.16~6.30)、第2期分(12.16~12.31)

ㆍ随時分: 自動車売買の際、日割計算して随時賦課

地方所得税 ㆍ申告納付 ㆍ法人地方所得: 事業年度の終了日から4ヵ月以内

ㆍ個人地方所得: 所得税と同時に申告納付

登録免許税 ㆍ申告納付

 

ㆍ普通徴収

ㆍ登録分: 登記·登録前まで

ㆍ免許分: 免許証書交付前まで

ㆍ免許に対する登録免許税: 毎年1.16~1.31

財産税 ㆍ普通徴収 ㆍ定期分: 7.16~7.31 住宅分財産税(50%)、建物分財産税

9.16~9.30 住宅分財産税(50%)、土地分財産税

ㆍ随時分: 定期分から漏もれている者に対して随時賦課

地方教育税 ㆍ申告納付

ㆍ普通徴収

ㆍ取得税·タバコ消費税·登録に対する登録免許税

ㆍ住民税(均等分)ㆍ財産税ㆍ自動車税

* 申告納付は、納税義務者が地方税の課税標準と税額を課税官庁に申告して納付をすることをいい、普通徴収は、
課税官庁で地方税の課税標準と税額などを記載した”納税告知書”を交付または送達することで徴収する方式です。

 

2. 地方税と加算税

納付義務の履行を確保するため、納税者が申告納付義務または納税協力義務を履行しなかった際に科す過料の性格を持つ行政上の制裁です。

区分 加算税率
無申告加算税 単純無申告 無申告税額の20%
不正無申告 無申告税額の40%
単純過少申告 過少申告税額の10%
不正過少申告 過少申告税額の40%
納付不誠実加算税 未納税額×未納期間×0.025% (限度: 納付する税額の75%)
無申告売却加算税

(未登記転売)

算出税額の80%

 

3. 月別地方税日程

月別 区分 納付期間(申告納付期限)
1月 ㆍ自動車税年間税額一時納付

ㆍ自動車税地方教育税納付

ㆍ免許に対する定期登録免許税

ㆍ1.1~1.31

 

ㆍ1.16~1.31

4月 ㆍ12月末決算法人法人地方所得税申告納付
5月 ㆍ個人地方所得税(総合所得)申告納付 ㆍ 所得税申告納付時
6月 ㆍ自動車税(1期分) ㆍ 6.16~6.30
7月 ㆍ住民税(財産分)申告納付

ㆍ財産税都市地域分(住宅50%、建築物分)

ㆍ地域資源施設税 (住宅50%、建築物分)

ㆍ 7.16~7.31

 

 

8月 ㆍ住民税(均等分)納付 ㆍ 8.16~8.31
9月 ㆍ財産税都市地域分(住宅50%、土地分)

ㆍ地域資源施設税(住宅 50%)

12月 ㆍ自動車税(2期分) ㆍ 12.16~12.31
毎月 ㆍ地方所得税(特別徴収)

ㆍ住民税(従業員分)

ㆍ地域資源施設税

ㆍ自動車税(走行税分)

ㆍ来月10日

ㆍ来月10日

ㆍ当月末日

ㆍ当月末日

随時 ㆍ申告納付税目未納分、未賦課分随時賦課

ㆍ登録免許税申告時

(JHK)

 

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