
日焼け止めだけじゃない。猛暑の韓国で広がる「サバイバル・ビューティー」とは
8月も終わりに近づいたが、日本も韓国も夏はまだ終わっていない。8月25日にはソウルの一部地域で再び暴炎注意報が発令され、最高体感温度33℃を超える状態が続くことなどが警戒されている。そんな暑さの中で変化しているのが、韓国の「夏美容」だ。日焼け止めを塗るだけではなく、パウダー、スティック、ヘアケア、汗や体臭のケア、そして日傘まで。猛暑が続く韓国で、美容は「きれいに見せる」ことから「自分を守る」ことへ、その役割を広げ始めている。

「サバイバル・ビューティー」という言葉が生まれた夏
2026年、韓国の大手ヘルス&ビューティーストア・CJ Olive Youngが打ち出したキーワードのひとつが「서바이벌 뷰티(Survival Beauty/サバイバル・ビューティー)」だ。
Olive Youngは4月から7月にかけて、長期化する夏と高温多湿な環境への対応をテーマにキャンペーンを展開。UVケアだけではなく、「トラブルケア」「皮脂・汗ケア」「クーリングケア」を含む4つのテーマから、ビューティー・ウェルネス商品120点を選定した。
つまりここでいう「サバイバル」は、単なる広告上の強い言葉ではない。暑さによって生じる複数の悩みを、従来の化粧品カテゴリーをまたいで対処しようという考え方だ。
そして実際の消費行動にも、その変化が表れている。
5月31日から6月3日まで行われた「オルヨンセール」のオンライン検索データでは、「サンクリーム(선크림)」が検索数2位を記録。
さらに、メイクの上からでも使いやすい「サンパウダー」の検索量は前年同期比284%増となった。
一度塗って終わりではない。「サンレイヤリング」という発想
注目したいのは、日焼け止めそのものだけではない。
韓国では、外出前にサンクリームを塗り、外出先ではサンスティック、サンスプレー、サンパウダーなどを状況に応じて重ねて使う「Sun Layering(サンレイヤリング)」という消費行動が見られるようになっている。
さらにUVケアの対象も顔だけではない。
UV機能を持たせたハンドクリームやヘアミストなどが登場し、
頭皮や髪、手まで含めて紫外線から守るという商品設計が広がっている。
こうして見ると、現在の韓国の夏美容は「どのブランドの日焼け止めが人気か」という話だけでは捉えきれない。
いつ、どこに、どうやってUVケアを追加するか。
サンケアそのものが、一日の生活動線に入り込んでいる。
もうひとつ興味深い数字がある。
同じOlive Youngの6月セール開始4日間では、オンライン上の「体臭(체취)」の検索量が前年同期比98%増、「頭頂部のにおい(정수리 냄새)」は80%以上増加した。
それに合わせるように、デオドラントも従来のスティックだけでなく、ロールオン、スプレー、シートなど用途別に細分化している。
これも、韓国の夏美容の対象が「肌をきれいに見せる」ことだけではなくなっていることを示す一例だろう。
紫外線、汗、皮脂、熱感、頭皮、体臭。
これまで別々の商品カテゴリーとして扱われてきたものが、
「暑い夏を快適に過ごすためのケア」として一つにつながり始めている。
日傘も「女性の美容アイテム」だけではなくなってきた
街の変化として気になるのが、日傘だ。
日本のみならず、韓国でも男性の日傘利用がメディアで取り上げられるようになり、2026年7月には「G-DRAGONのような影響力のある人物が使えば、男性も日傘を使いやすくなるのでは」という声まで話題になった。
実際、生活ブランドJAJUでは、2026年6月の軽量傘・日傘の販売が前月比約38%増。7月1〜8日には6月第1週比約50%増となっている。(韓国経済ニュースより)
選ばれているのは、UVカット・遮光に加え、突然の雨にも対応できる晴雨兼用や軽量タイプ。韓国消費者院の調査でも、遮光タイプ10製品のUV遮蔽率は99.9%だった。
さらに、外出先で使いやすいサンスティックやサンパウダーも人気。Olive Youngでは2026年初夏、サンパウダーのオンライン検索量が前年同期比284%増となった。
日傘から持ち歩けるUVケアまで。
韓国の夏美容は、「朝に日焼け止めを塗る」だけではない日常的な暑さ・日差し対策へと広がっている。

夏美容は「美しくなる」から「快適に生きる」
韓国の夏美容を追ってみると、見えてくるのは単なるK-Beautyの新商品トレンドではない。
日焼け止めを一度塗って終わるのではなく、外出先でも重ねる。顔だけではなく、髪や頭皮、手まで守る。汗や体臭をケアし、強い日差しには日傘を使う。
その背景には近年の長く、暑くなった夏そのものがある。
実際、8月25日午後4時にはソウルの東南・東北エリアにも暴炎注意報が発令され、西南・西北エリアでも注意報が継続。韓国気象庁では、最高体感温度33℃を超える状態が2日以上続く場合などに暴炎注意報を発表している。
美容は季節や生活環境と切り離されたものではない。
2026年の韓国で見えてきた「サバイバル・ビューティー」という言葉は、K-Beautyが「どう美しく見せるか」だけではなく、「変化する環境の中で、どう自分を守り、快適に過ごすか」へ領域を広げていることを象徴するキーワードなのかもしれない。

※掲載商品は韓国のサンケアアイテムの参考イメージ。参考:Olive Young公式サイト(2026年8月25日閲覧)
編集部コメント
日傘、日焼け止め、頭皮ケア、デオドラント。一つひとつを見ればめずらしいものではない。しかし、それらが「暑さから自分を守る」という一つの目的でつながり始めているところに、今の韓国美容の変化がある。美容を流行の商品だけでなく、気候や暮らしとの関係から見てみると、K-Beautyのまた違った側面が見えてくる。
【出典・情報提供表記】
CJ Olive Young公表データ/2026年4月・6月
「サバイバル・ビューティー」120商品、サンパウダー検索量前年比284%増など、複数の韓国報道で同社公表値を照合。
CJ Olive Young公式サイト
編集・文:COCOA編集部


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